本研究に参加する東京大学、スウェーデン・ウプサラ大学、オランダ・ライデン大学の研究グループの研究者は1993年にTGF-βファミリーの受容体のクローニングを行い,以後15年以上に亘って継続して細胞内シグナル伝達機構を中心に共同で研究を行って来た。3拠点は研究交流を定期的・継続的に行うために2000年以降毎年、スウェーデンもしくはオランダで研究発表会(TGF-βミーティング)を開催しており、最近では3つの研究拠点以外にもヨーロッパ、日本から参加者を集めており、本研究発表会を通じて多くの共同研究が生まれ、ともに発展を続けて来た。スウェーデンは基礎生化学、タンパク生化学などの研究に優れた技術を有し、オランダのグループは血管生物学に加え、インビボイメージングなどに卓越した技術を有することから、がんの分子病理学、分子生物学を専門とする東京大学を中心とした日本側の研究機関と技術交流を図ることによって多くの共同研究を生み出すことができた。
本研究事業では、3研究拠点の交流をさらに密接なものとし、これまで以上に若手研究者・大学院生の交流を緊密なものとする。具体的には、
- スウェーデンまたはオランダでのTGF-βミーティングの開催と日本側若手研究者の参加、
- 日本側若手研究者のスウェーデン、オランダへの短期もしくは長期の滞在による研究交流、
- 日本における国際TGF-βシンポジウムの開催と若手研究者向けワークショップの開催、
を行うことにより、3研究拠点を中心とした共同研究の更なる発展を図る。